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中部地方の大学、中小企業も小型衛星開発

2011.11.11

 中部地区の大学と中小企業が共同で小型衛星を開発、来年度中に打ち上げる計画を発表した。

 計画を進めているのは、名古屋大学太陽地球環境研究所、大同大学と中部地区の中小企業でつくる中部地区小型衛星開発連合。重さが50キロ程度の観測衛星「ChubuSat-1(中部地方衛星1号機)」を開発し、2012年度下期(2012年12月以降)の打ち上げを目指す。

 衛星には、地上10メートル程度の大きさの建物を見分ける可視光カメラと、大気中の二酸化炭素(CO2)量や地表の温度の大まかな測定ができる赤外線カメラが搭載される。地球温暖化対策に貢献するCO2濃度観測や、被災した地域を遠隔監視する災害対策などでの活用が、今より100分の1以下のコストで可能になる、という。

 中部地区は、日本の代表的な航空・宇宙メーカーである三菱重工の製作拠点となっており、同社誘導推進システム製作所の部品製造や組み立てを支える中小企業24社が、中部航空宇宙産業中小企業連合体を構成している。今回の計画を進めることで大学は、宇宙・地球環境研究の拡大を図り、中小企業は航空宇宙産業の中心地をアピールするとともにさらなる活性化を目指す、としている。

 電子部品などが急速に小型、高性能化しているのに、日本の宇宙開発は相変わらず大型ロケット、大型衛星が中心。これでは宇宙関連技術の発展を阻害するだけでなく、利用者のニーズにも対応できない、という声が聞かれる。しかし、小型衛星の開発は、東大阪市の中小企業でつくる東大阪宇宙開発協同組合による小型衛星「まいど1号」の開発など、少数の例しかない。

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