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稲麦二毛作に適した飼料用稲の新品種開発

2010.09.07

 早く刈り入れができ多収量で病気にも強い飼料用稲の新品種を、農業・食品産業技術総合研究機構中央農業総合研究センターが開発した。

 新品種は「なつあおば」として品種登録が申請され、まず埼玉県で普及が図られることになった。

 牛の飼料としては稲わらとともに、穂から茎、葉まで丸ごと刈り取って発酵させる飼料用稲の普及が急がれている。食料自給率の向上や耕作放棄地の減少などのほか口蹄(こうてい)疫のような悪性伝染病の海外からの侵入リスクを抑える効果が期待されているためだ。

 「なつあおば」は、飼料用稲の刈り取りが従来は9月下旬から始まるのに対し9月上中旬から開始できる。刈り入れの遅れによる飼料としての品質低下を防ぎ、同じ耕地で次に栽培する麦の種まき作業の遅れも避けられることが、これまでの試験栽培で確かめられた。さらに麦との二毛作で心配される縞葉枯(しまはがれ)病にも強い長所も持つ。

 飼料用稲は、主食用米には転用できない新規需要米の一つとして期待されている。関東以西の稲麦二毛作地帯で「なつあおば」が普及すれば、水田の有効活用による食料自給率の向上と耕作放棄地の減少につながり、生産農家の収益の向上の一助にもなり得る、と中央農業総合研究センターは言っている。

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