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エネルギー生み出す工場廃水処理法開発

2010.08.06

 重油で燃やす以外に有効な処理法がなかったベンゼンなど芳香族系有機物を含む工場廃水を触媒により有機物を分解して処理する方法を、大阪ガスと月島環境エンジニアリングが開発した。

 ベンゼンなど芳香族系有機物を含む工場廃水は半導体工場や化学工場などで発生し、生物処理法では処理が困難だった。新しく開発された方法は、ニッケルを特殊処理した触媒に高温・高圧となった廃水を通過させる。芳香族系有機物を高速分解できる上に、処理過程で発生するメタンを主成分とする可燃性ガスを燃料として再利用できる利点もある。

 大阪ガスなどによると、可燃性ガスの再利用による効果を盛り込むと、重油で燃やして有機物を分解する従来の処理法に比べ、二酸化炭素(CO2)排出量を110%削減できるという。

 新しい処理法は、環境省の「次世代循環型社会形成推進技術基盤整備事業」に採択され、11月から1年間、大津市のルネサス関西セミコンダクタ滋賀工場でパイロットプラント(廃水処理量1日5立方メートル)による実証試験が行われる。大阪ガスと月島環境エンジニアリングは、2012年度の商品化を目指すと言っている。

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