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科研費受給研究者593人が報告書未提出

掲載日:2010年6月22日

科学研究費補助金を支給された研究者のうち、593人(164研究機関)が提出期限を過ぎても研究成果報告書を提出していないことが会計検査院の調査で明らかになった。さらにこれら長期未提出者593人のうち、69人に対しては日本学術振興会が昨年、新たに科学研究費補助金(総額2億8,167万円)を支給していたことも明らかになった。

会計検査院は、科学研究費補助金の配分事業を行っている日本学術振興会理事長あて改善を求める文書を21日付で送った。

科学研究費補助金は、人文・社会科学から自然科学まであらゆる基礎研究分野を対象とし、多様性と独創性を重んじた研究を育てる役割を果たしている。国の政策目標実現に向けて目的基礎研究をトップダウン型に推進する科学技術振興機の戦略的創造研究推進事業と併せて「世界でもユニークな2段ロケット型研究支援体制」(北澤宏一・科学技術振興機構理事長)の1段目を担う重要な研究補助事業だ。2009年度は新規採択課題(12,239件)に対してだけで、総額517億円の研究費が支給されている。

科学研究費補助金の支給を受けた研究者は、挑戦的萌芽研究、奨励研究など一部をのぞいて研究成果報告書とその概要を和文、英文で作成し、研究計画最終年度の翌年度の6月下旬までに提出することが義務づけられている。研究成果報告書は国立国会図書館の書架に、報告書概要は国立情報研究所の科研費データベースに登録され、一般に公開されている(2008年度以降に終了する研究課題からはすべて科研費データベースに登録、公開される予定)。

研究成果報告書の未提出者が多いのが明らかになったのはこれが初めてではなく、日本学術振興会は毎年1月督促リストを作成、未提出者の所属する研究機関に送りつけている。

会計検査院が、日本学術振興会の作成した督促リストを比較したところ2009年1月に1,567件あった未提出課題数はことし1月に1,067件に減っているものの、長期未提出課題数は593件から逆に658件に増えていた(人数は593人)。このうち約2年10カ月以上未提出の件数が62%(406件)に上っており、中には10年近く未提出のままが15件(14人)あった。

今回、問題になった593人(658件)は、2007年度までの9年間に研究を終えたうち報告を1年以上怠っている人々で、22日の新聞朝刊記事(東京、日経、読売)によると、日本学術振興会はこのうち558件分の報告書を提出させた、という。

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