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リン酸銀に有望な光触媒効果確認

掲載日:2010年6月10日

植物の光合成と同様な反応を促進する光触媒の新しい材料としてリン酸銀が有望であることを、物質・材料研究機構の研究チームが発見した。

光触媒としては藤嶋昭・東京大学特別栄誉教授が発見した酸化チタンが有名。強力な酸化能力や超親水性による殺菌効果や洗浄効果を利用した応用が広がっている。ただ、酸化チタンは太陽光の中の紫外線にしか反応しない弱点を持つ。低炭素社会実現に対する期待の高まりとともに、紫外線だけでなく太陽光の約43%を占める可視光も利用できる高光触媒開発への期待が高まっている。

物質・材料研究機構の葉金花(ヨウ・キンカ)光触媒材料センター長らが着目したのは、これまでだれも関心を持たなかったリン酸銀。可視光を照射した場合の水を分解する性能や塗料の分解性能などを調べた実験の結果、光酸化性能がこれまで知られている光触媒の数十倍に上ることが確かめられた。

ただし、リン酸銀は水を水素に還元することはできない。適切な還元材料と組み合わせることで水を分解して水素をつくったり、二酸化炭素(CO2)を還元して燃料や資源を合成する人工光合成システムなどへの応用が可能になる、と研究チームは今後の研究開発の進展に期待している。

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