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水がきれいな河川多い北海道、東北

2010.06.01

 カワゲラやヒラタカゲロウなどきれいな水を好む水生生物が住む河川が多いのは北海道、東北、という結果が国土交通省と環境省が昨年8月に行った全国水生生物調査で明らかになった。

 この調査は、環境問題への関心を高めることも大きな狙いになっており、小学生を中心に両省が募集した一般市民によって毎年、実施されている。河川に住む30種類の水生生物を手がかりにどのような生物が住んでいるかを調べることで水質の程度を判定する。

 カワゲラ、ヒラタカゲロウ、ナガレトビケラ、ヤマトビケラ、ヘビトンボ、ブユ、アミカ、サワガニ、ウズムシが住む河川は「きれいな水」とみなされ、コガタシマトビケラ、オオシマトビケラ、ヒラタドロムシ、ゲンジボタル、コオニヤンマ、スジエビ、ヤマトシジミ、イシマキガイ、カワニナが住む「少しきれいな水」、ミズカマキリ、タイコウチ、ミズムシ、イソコツブムシ、ニホンドロソコエビ、タニシ、ヒルが住む「きたない水」、セスジユスリカ、チョウバエ、アメリカザリガニ、サカマキガイ、エラミミズが住む「大変きたない水」の4段階にランク付けされた。

 きれいな水と判定された河川が最も多かった北海道は調査地点の75%を占めており、次いで東北が66%、九州64%、北陸62%の順となっている。最も少なかった地域は中国の31%、次いで関東、四国の42%で、全国平均は56%だった。

 この調査に参加したのは小中学校など学校単位の約48,000人、市民団体・子供会・観察会など団体からの約19,000人を中心に約71,000人。調査地点は全国3,059地点に上った。ただし、調査地点は参加者が任意で選んでいる。毎年同一地点を比較したものともなっていないが、1999年をピークに減少傾向にあった「きれいな水」と判定された地点数は、この8年間、56-60%前後でほぼ横ばいの傾向にある。

 両省は昨年の調査結果を公表するとともに、今年も7-8月の夏休み期間中に行われる調査の参加者を募集している。

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