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ライターが原因の事故例報告

2010.04.14

 製品評価技術基盤機構製品安全センターは、2004-08年度にライターによる事故が132件発生していることを明らかにした。

 132件のうち26件は製造時に炎の高さが調整不良だったなど「製品に起因する事故」とみなされたが、ほとんどが不注意による「製品に起因しない事故」も36件発生している。

 主な事故例としては、「電動シートの位置を移動した際、シートレール上に落ちていた電子式簡易ガスライターの着火レバーが押されて走行中の乗用車が全焼」(2007年1月、福島県)のほか、「トラックのダッシュボードに置いていた簡易ガスライターが突然爆発し、運転していた男性が左耳に聴覚障害を負う」(08年3月、奈良県)といった例が挙げられている。

 奈良県の事故原因は、車内の温度上昇でライターの内圧が上昇し破裂に至った可能性のほか、事故品に樹脂強度の不具合があった疑いも考えられたが、原因は突き止められていない。

 また、衣装ケース内に入れていた簡易ガスライターが、引き出しを出し入れする際に一緒に収納されていた雑貨類がケースに引っかかったことでライターの着火レバーが押されて発火、という例もあった(08年8月、京都府)。これは樹脂製衣装ケースの一部を焼いただけで済んだ。

 最近、子どもがライターをいじったことによるとみられる原因で、乗用車内の子どもたちが焼死する痛ましい事故が相次いでいる。今回の報告では、子どもが原因で深刻な結果を招いた例は報告されていない。しかし、製品安全センターは「子どもがかかわった事故は、保護者が自らの責任と考え情報が提供されないことが多い。ライターの子どもの火遊びについても同様と推定される。また、製品起因が疑われる事故情報を中心に情報収集してきたこともあり、子どもの火遊びに関係する事故の件数が少なくなっている」と、子どもにライターを触らせることの危険にあらためて注意を喚起している。

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