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世界はエコロジーでも信用危機に

掲載日:2008年10月29日

世界を揺るがす金融危機同様、世界は「エコロジカルな信用危機」に向かって突き進んでいる、と世界自然保護基金(WWF)が29日公表した「生きている地球レポート2008年版」の中で警告した。

レポートによると、世界の人口の4分の3以上が、エコロジーの視点からは赤字の状態にある国に暮らしている。つまり、その国の消費が、国内の生物生産力を超えてしまっている状態にある。地球の「生物生産量」を、人類1人あたりの面積換算で示した「グローバルヘクタール」は、2.1。これに対し、1人あたりの生活を支えるのに必要な生物学的に生産可能な土地・水域を示すフットプリントは、既に2.7グローバルヘクタールとなっており、地球の生物生産量を30%近く超過してしまっている。

また、野生生物の個体数の推移を見た「生きている地球指数」は、1970年に比べ30%近い個体数の減少を示している。熱帯の森林伐採や土地利用の転換が大きく影響しており、熱帯地方の「生きている地球指数」は、50%も低下している。

WWFインターナショナルのリープ事務局長は「地球環境に対する人類の需要が現在と同じペースで伸びていけば、2030年代の半ばまでには、ライフスタイルを維持するために地球が2個分必要になる」と言っている。

今回、新たに算出された水フットプリントは、商品に形を変えて取引される水の量を示している。1人あたりの年間平均水消費量は、オリンピック用水泳プールの半分の量に等しい124万リットルに上り、約50の国が中程度から強度の水ストレスに直面しているとレポートは指摘している。

エコロジカルフットプリント
エコロジカルフットプリント
1980年代後半から世界全体の消費が地球の生物生産量を上回り、現在、地球1.3個分に相当する生物生産量を食いつぶす“赤字”状態になっていることを示している。
(提供:WWFジャパン)

生きている地球指数
生きている地球指数
野生生物の個体数が1970年に比べ30%近く減っていることを示している。
(提供:WWFジャパン)

カバの個体数推移
カバの個体数推移
個体数が激減しているカバ。グラフ(右)は、個体数の推移。
(提供:WWFジャパン)
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