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アホウドリのヒナ10羽すべて巣立ち

掲載日:2008年5月27日

小笠原諸島聟島で飼育されていたアホウドリのヒナのうち最後の1羽が25日無事巣立ち、10羽すべてが聟島から飛び立った。

10羽のアホウドリは、生後40日程度の時に350キロ南の鳥島で捕獲され、2月19日にヘリコプターで運ばれた後、聟島で山階鳥類研究所員によって人工飼育されていた。最初の1羽が19日に巣立ったのに続き、ほぼ毎日、1~3羽が次々に島を後にした。ヒナたちはこれから北太平洋のベーリング海からアラスカ方面に渡って行くと予想されている。10羽のうち5羽には人工衛星で追跡できる発信機が装着されていることから、巣立ち後の行動が明らかになる、と山階鳥類研究所は言っている。

アホウドリは、150年ほど前には北西太平洋の島々に分布しており、当時は少なくとも数十万羽いたと考えられている。しかし、羽毛目当ての乱獲の結果、一次は絶滅寸前にまで追い詰められた。現在でも尖閣諸島と鳥島だけに2,000羽程度しか生息していない。

生息数の多い鳥島は火山島のため、噴火活動が起きると再び絶滅の恐れが大きくなることから、山階鳥類研究所が米国魚類野生生物局と環境省の支援を受けて、かつて繁殖地の一つだった聟島へのヒナの移住作戦を始めた。

アホウドリは、夏の間は繁殖地の島を離れて海の上で生活し、秋に繁殖地の島に戻って冬に子育てをする。ただし、5歳程度までの若い鳥は島には戻らず魚類を餌に1年中海上で暮らす。

山階鳥類研究所は、今回と同じヒナ移住、人工飼育を聟島で5年程度続け、今年巣立ったヒナが成鳥になって島に戻ってくるのを待つ。

22日に巣立ったアホウドリのヒナ
飼育場所から飛び立ち、いったん海上に着水した
22日に巣立ったアホウドリのヒナ 22日に巣立ったアホウドリのヒナ
(提供:山階鳥類研究所)
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