レビュー

編集だよりー 2010年1月1日編集だより

2010.01.01

小岩井忠道

 一昨年以来、元旦は目黒川に沿って東京湾まで歩き初日の出を拝むことにしている。さて今年は、と考え、レインボーブリッジの途中から眺めることにした。出かける直前に、日の出の時刻をチェックすると自宅から歩くと間に合わない可能性がある。山手線で田町駅まで行き、駅前から真東に向かって橋のたもとまで歩くことにした。

 遊歩道の入り口がどこにあるかも分からなかったが後ろを見ると、いかにも自信ありげにしっかりとした足取りで歩いている熟年女性がいる。先を譲って後をついて行ったらやはり入り口に着けた。エレベーターで南側ルートの出発点まで上がり、しばらく行くと人だかりがしている狭いバルコニーのような場所がある。そこで待っていたら数分もしないうちに黄金色の太陽が顔を出してきた。しばし見とれて、再び遊歩道を歩き始める。太陽も見事だが、ときどき振り返ってみる湾岸の風景も朝日をいっぱいに浴びてなかなかのものだ。

 眼下に見える人工島のようなところにちらほら散策者の姿が見える。渡り終わった後、ついでに歩いてみたら、黒船来襲にあわてた江戸幕府が急きょ造った台場のうちの一つ「第三台場」だった。砲台跡や窯跡、陣屋跡などが残っている。臨海副都心に来たことは何度もあるがここまで足を運んだのは初めてだ。

 帰りは北側の遊歩道を歩く。都心に高層ビルが増えているのにあらためて感心する。無論、東京タワーを超えるビルなどないが、東京タワーがとてつもなく高いという感じがしない。手前に立派なビルがいくつも建っているからだろう。墨田区押上に建設中の東京スカイツリー(完成時634メートル、現在254メートルまで建設)はさてどこに、と探して見たが、こちらは距離が遠いせいかそれらしい姿を見つけることはできなかった。

 しかし、ほとんど雲もない快晴の元旦である。通行料を取られるわけでもないレインボーブリッジから初日の出を拝もうという人は、毎年この程度しかいないのだろうか。帰り道の北側ルートなど、人の姿が全くない。

 JR田町駅について携帯の表示をみたら田町駅の改札を出て改札まで戻るまでの歩数は約10,800歩だった。年の初めにしてはまずまずの運動量ということだろう。

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