レビュー

編集だよりー 2008年9月20日編集だより

2008.09.20

小岩井忠道

 当てにならない客だが、考えてみると開店間もないころから行っていたということだろうか。赤坂のライブハウス「STAGE-1」の開店30周年記念パーティに出席した。

 都心のホテル内レストランを借り切った料理フルコース付きライブショーで、案の定、オーナーの出血サービスというのがよく分かる。大商社勤務のオーナーが、脱サラして始めた店で、開店に当たっては水原弘に背中を押された、という話を数日前オーナーから初めて聞いた。開店する直前に水原弘は急死してしまい開店の時には出演するという約束は果たされなかったそうだが。

 ミュージシャンたちも今ほど活躍する場はなかったのだろう。昔はいまより有名な歌手たちが出ていたように思う。30年の歩みを駆け足で紹介したスライドの中に、大橋節夫、バッキー白片、和田弘がそろって出演している写真があった。編集者もバッキー白片アロハ・ハワイアンズや和田弘とマヒナスターズがそれぞれ出ていたのはかすかに記憶があるが、こういう場面があったのは知らない。春日八郎が出演したこともあったと聞いて驚いた。

 大勢のミュージシャンがこの日出演した中でトリを務めた山下敬二郎氏とパーティが始まる前に入り口で言葉を交わす。最近NHKのテレビ番組に出演していたので、その感想を話したら「あれ以来、町中で知らない人からよく声をかけられる」と笑っていた。

 ドッグイヤーなど時間の物差しがどんどん縮まる中で、50年以上歌い続ける山下敬二郎氏にも驚嘆するが、30年間、ライブハウスを続けるというのは容易なことではない、とつくづく思った。

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