レビュー

編集だよりー 2008年7月22日編集だより

2008.07.22

小岩井忠道

 遠くより手元を見るのを優先した度が弱いめがねでも、山肌がくっきり見える。雨にたたられた昨年と打って変わって快晴の立山連峰をとことん満喫した。

 前日、信濃大町、黒部経由で室堂に入り、ホテルで一泊し、朝から一ノ越経由で雄山を目指す。まだあちこちに雪が残っている。昨年は雨だったので、雄山の頂上から引き返してしまったが、今回は、引き返す組とそのまま稜線を歩き続ける組に分かれた。編集者より年配者がほとんどだから、引き返す組には入れない。大汝山から別山、剣御前まで立山連峰の稜線を走破するという相当ハードなコースを歩き続けることになった。まともな山の稜線を歩いている姿など、想像したこともない初心者である。この日のためにまともな登山靴を買っておいて、本当によかった。

 ほかの山はどうか知らないが、立山連峰というのは、おそろしく石だらけである。河原に大小の石が転がっている風景は見慣れているが、山頂まで小さな石がゴロゴロしているのはどういうわけか。しばし、考え込んだが、火山と聞いてようやく納得する。噴火したときからすでに大小さまざまな大きさだった、ということだろう。

 剣御前から雷鳥沢を下る。途中、雷鳥の親子づれにあった。人を怖がらず、しばらく目の前を歩いた後、子どもが先に立って山腹を上っていった。

 10時間も歩いたおかげで立山一帯のおおよその地形は、ようやく頭に入った。昔は、日本列島は中央付近で東と西に分かれていた、と何かで読んだ記憶がある。立山を含め、日本アルプスという特異な地形がなぜできたのか。せっかく、これほど歩いたのだから、そのうちだれかに教えてもらうか、調べるかしてみよう。

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