太陽系から約20光年離れたところに、地球によく似た惑星が欧州の天文学者グループによって発見されたという。
毎日新聞(4月26日付朝刊)によると、惑星の平均表面温度は0〜40℃、質量は地球の約5倍、直径は約1.5倍、水の存在の可能性がある。惑星の太陽に当たる主星(恒星)の質量は太陽の約3分の1で、赤色矮星だという。わが太陽系の外で見つかった地球型惑星としては、初めて生命存在の条件を部分的に満たし、スイスのジュネーブ天文台の研究者らは「生命探査の重点的な観測対象にすべき」と主張しているという。
この記事を見て一つのことが思い起こされ、立て続けにいくつかの想念が連なってうれしくなった。
1986年1月、米航空宇宙局(NASA)の惑星探査機「ボイジャー2号」が天王星に最接近しつつあった。ボイジャー2号は1号と相前後して1977年8月に打ち上げられ、地球離脱後約8年半をかけて、まさに「未知との遭遇」を果たさんとしていた。木星、土星観測はすでに済ませていた。天王星は地球から30億kmも彼方にあって、電波が届くのに2時間45分もかかる。しかし、スグレモノでハタラキモノのボイジャー2号は驚天動地の情報をどっさり、電波で確実に送ってきた。お見事というほかない。
その現場——カリフォルニア州パサデナのNASA・ジェット推進研究所に、私は取材でいた。ボイジャー2号からのデータを受信・解析する基地である。たまたま、NASAの招きで同研究所にいらっしゃった文化勲章受章者の宇宙物理学者、故・小田稔先生(1923〜2001年)に会えたのは幸運で、助言をいただきもした。
さて、ボイジャー2号の消息は? 「ターミネーション・ショック」と呼ばれる衝撃波の存在する領域に突入し、その先にある「ヘリオシース」に入り、さらにその端っこで太陽系末端に当たる「ヘリオポーズ」を突き抜け、正真正銘、太陽系におさらばして深々宇宙の星間空間に向かうようだ。2020年ごろまでは微弱な電波ながら交信可能という。
小田先生は地球外知的生命(ET)の存在の可能性を信じておられて、約10年前、ご自宅に伺った際に用件が済んで雑談になり、その話にもなった。以来、私も“ET存在信者”の一人なのである。それはそうでしょう。ちっぽけなわが太陽系と同じようなものが、途方もなくでっかいこの宇宙空間にないはずがない。
ボイジャー2号には、地球文明からの音声メッセージをミゾに刻んだ直径30㎝の「gold ・disk」(金製のレコード盤)が搭載してある。レコード・プレーヤーはない。地球人程度以上のETならレコードの再生装置ぐらいは持っているだろう、なければ、「こっちは最初からCDよ」と言うかどうかはともかく、ナントカ作るだろう、との深謀遠慮。
もしボイジャー2号が、欧州の天文学者グループが見つけた天体と遭遇するとしたら、何年かかるかって!?わが太陽系の引力を振り切る「第3宇宙速度」の秒速16.7km以上で飛んでいるはずだから、えーと、まあ、この辺で・・・