レビュー

編集だよりー 2007年1月2日編集だより

2007.01.02

小岩井忠道

 毎正月、2日は郷里、水戸で高校の新年会に出る。同級生の新年会と運動部(バスケットボール)の新年会が同じ日にあるので、はしごする。

 元日のうちに帰省したが、Yシャツは持ったのにネクタイを忘れてしまった。2日、10時前、水戸駅に行ってみたら目指す駅ビルのショッピングセンター入り口前には、すでに長い人の列ができている。それどころか駅前の立体広場の上もぎっしり人の波である。いずれも初売り目当ての客だった。

 デパートより駅ビルのショッピングセンターの開店時間の方が早く、しばらく人の流れを眺めていたら、ようやく列の末尾が見えてきた。やれやれと、列の尻について入店する。

 ところが、ネクタイ売り場がない。それどころか、なんと男物の売り場というのがないのである。「成人男性はもはや消費者として期待されていない」という現実に驚き、すぐにさもありなんと納得する。飲食店だって、格安店をのぞくと、しゃれた店の客は大半が女性なのでは、だいぶ前から、などと思いながら…。

 結局、列に並ばなくても入れた近くの若者向き店で、○千円(それ以上高いのはなかった)のネクタイとついでにネクタイピンを購入して、なんとか、身なりを整えることができたという次第。

 運動部の新年会は、午後に行われるホテルでのパーティーに先立ち、午前中、まず母校の体育館で男女現役部員と若手のOB、OGとの新年初試合でスタートする。まだゲームは続行中だが、OB、OGは人数が多いので、出番を終えた女性の後輩があいさつに来た。東京大学文学部生で今年4年生になる。

 「大学院に進むの」と聞くと「どうしようかなと。いよいよとなったらフリーターにでも」とのこと。「これからの人生は長いぞ。勉強すべき時に十分しておいた方が」などと偉そうなことを言う。これが、運動部OBのいいところだ。「ところで先輩はどうだったんですか」などと、つまらない質問を返すような後輩もいないし。

 そういえば、東京大学が昨年12月13日に発表した「2005年学生生活実態調査」によると、東大生の20.9%が「自分はニートにはならないが、フリーターになるかもしれない」、7.4%が「自分はニートやフリーターになるように思う」と答えていた(http://www.u-tokyo.ac.jp/gen03/kouhou/1348/8.html)。

 この調査は、「学部男子・女子学生。学部・科類別無作為抽出法で、在籍者数の1/4を抽出」して行ったそうだから、相当、信頼性は高いと見るべきなのだろう。

ページトップへ