本小中学生を対象に、国語と算数・数学の特定の学力を調べた国立教育政策研究所の調査結果が、15日の各紙朝刊に大きくとりあげられている。
総合的な学力を見る調査ではなく、課題を絞った今回のような調査ははじめてとのこと。算数・数学では「数学的に考える力」と「計算に関する力」を見るための問題が出された。
各紙がそろって触れていたのが、問題「3+2×4」の正答率。小学4年生の73.6%が正しい答えをしていたのに対し、5年生は66.0%、6年生は58.1%と、高学年になるほど正しく答えた生徒の比率が下がってしまっていた。
足し算、引き算、かけ算、わり算が混在する四則計算は、×と÷の方を+と−より先に計算する。この基礎的な規則を知らない生徒が、小学高学年になるほど多いということだ。
ところが、なぜこんな奇妙な結果になったかについて、どの新聞を読んでももう一つはっきりしない。国立教育政策研究所の調査報告書によると、小学4-6年生に共通に出された算数の問題は、全部で22問あるが、上級生になるほど正しい答えが少なくなるのは、この問題だけだったようだ。
「学年をこえての継続的な指導が十分に行われていないことが原因ではないかと考えられる」。調査報告書も、これだけしか書いてない。
その中で、産経新聞が芳沢光雄・東京理科大教授の次のような談話を載せていたのが、目を引いた。
「四則計算の理解不足は、3項以上の計算がほとんどなされていないのも原因。2項だけの計算ドリルが流行し、現行の教科書も3項以上の計算が激減している」(産経新聞の引用は東京版から)