レポート

科学のおすすめ本ー うまい雑草、ヤバイ野草

2011.10.27

立田由里子 / 推薦者/SciencePortal特派員

うまい雑草、ヤバイ野草
 ISBN: 978-4-7973-5637-3
 定 価: 952円+税
 著 者: 森明彦 氏
 発 行: ソフトバンククリエイティブ株式会社
(サイエンス・アイ新書)
 頁: 224頁
 発売日: 2011年8月25日

最近、ちまたで「山ガール」なる単語をよく耳にするようになりました。実は私は「山ガール」ならぬ「沢ガール」だったりします(そんな呼び名は今のところありません、あしからず(笑)。「沢ガール」は「山」を登るのではなく、「沢」を登るのです。「山ガール」のように可憐でも華やかでもありません。登山道から山にアクセスするのではなく、沢から山にアクセスするのですが、沢を登るわけですから、時には水しぶきを浴びながらも滝を果敢に攻め、時に泥まみれになりながらヤブと格闘することになります。それはもう、恐怖におののく必死の形相です。とはいえ、清らかな水の流れに身を浸し、樹々から透ける緑の光をうけ、五感すべてで自然を感じることができる沢登りは、他では体験できない魅力に溢れています。

さて、そんな沢ヤ(沢登りをする人のこと)のテンションが上がるものの一つに春の山菜があります。沢ヤにはサバイバルスキルも求められるので、みなさん、食べられる山菜に目がありません。ですが、山菜には似て非なるものがたくさんあります。マズイばかりか、それこそ食べると危険な「ヤバイ野草」もわんさかあるのです。自然には恵みも、そして危険も同時に存在しています。

本書はそんな山菜に代表されるような「うまい雑草」と、食べると危険な「ヤバイ野草」を取り上げた一冊となっています。間違えやすいもの、危険なものについては見分け方や食べた場合の症状も解説されています。本書を見ると、道端のいつも目にする雑草が、意外にもおいしくいただける食材になるのだと教えられます。それこそ食材の宝庫なのです。調理法も解説されていますが、ここは一つ、みなさんのオリジナリティを生かして、さまざまな趣向を凝らした雑草ご飯を作ってみてはいかがでしょう? ただし「ヤバイ野草」には要注意ですよ!

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