|
化石は、かつての地球の環境や、どのような生き物がどのように生活していたかについてひも解く手がかりとなる地球の貴重な遺産です。化石には「何年より以前は化石です」という明確な規定はないそうですが、少なくとも1万年以上前のものを指し、途方もない時間とあらゆる条件がそろってはじめて化石として私たちの目に触れることになります。
本書は第1章で「化石に関する素朴な疑問」として、化石ってなに?からはじまり、化石の解釈の仕方や化石といえばよく耳にする「アンモナイト」や「三葉虫」についての解説が盛り込まれています。2章では「地球と生物の歴史に関する疑問」として、動物が誕生するまでの地球の姿とその後の移り変わりについて、1:動物が誕生するまでの地球、2:三葉虫がいた時代、3:恐竜がいた時代、4:哺乳類の時代、と大きく4つに分けて解説されています。
第3章では「化石に関するさまざまな疑問」として、化石からDNAを抽出して恐竜を再生できる?という疑問や石炭や石油と化石との関係についてなどが、第4章では「古生物学に関する疑問」として化石の分類が系統立てて解説されています。この章では大昔の地球に存在していた不思議な生き物たちの姿が垣間見られます。
ほんの少し化石の知識が身に付いたところで、近くの博物館に出かけてみてはいかがでしょうか? ただの展示物に見えたそれらが、かつては生き、途方もない物語を内包していることにあらためて気がつくと思います。
本書は化石について体系的に学びたい人におススメというよりは、化石に関する「なぜ?」を端的に知りたい人におススメのQ&A的な一冊と言えるでしょう。