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私たちの足下には大地が、空を見上げれば太陽が、月は満ち欠けを繰り返し、季節は巡ります。「地学」とは地球について学ぶ学問です。私たちは地球に生まれているので、地学は実はとっても身近なことを取り扱った学問だとも言えます。
3月11日に起きた東日本大震災。地震が起こる仕組みとして「プレート」という単語を何度も耳にされたと思います。地球は一枚の大地でつながっているわけではありません。何枚かのプレートに分かれており、それらは流動しています。大地が流動しているの?と驚かれるかもしれません。そう、流動しているのです。その流動に伴いプレートの境目で摩擦が生まれ、その反動で地震が起きることが知られており、プレートの流動は地震を起こす原因の一つとなっています。
緊急地震速報の仕組みもまた、地殻を伝わっていく2種類の波動の時間差を利用しています。季節が巡ることや、日々のお天気に代表される気象もまた、地学の分野です。地学を体系的に学ぶことは私たちをとりまく自然現象を自分なりに把握する力を身につけることにつながります。
著者はまえがきで「この非常に厳しい時代に、理科の軽い小話・コラムを集めたような雑学本では、使える知識は身につかない」と書かれています。本書は基本的な地学の知識を体系的に分かりやすくまとめ、そこにトピックを盛り込み肉づけがされています。内容もさることながら、そこかしこにちりばめられたイラストが色を添え、とてもかわいい解説もされていたりします。
本書は中学レベルの地学の知識を体系的に身につけることのできる「大人のやりなおし教科書」です