ハイライト

高度文明を1万年持続するために(本島 修 氏 / 自然科学研究機構・核融合科学研究所長)

2007.03.22

本島 修 氏 / 自然科学研究機構・核融合科学研究所長

シンポジウム「宇宙の核融合・地上核融合」(2007年3月21日、自然科学研究機構 主催)パネルディスカッションから

 「太陽エネルギーを地上に」という目標に向かって1950年代に核融合研究は始まった。

 1億度の物質の世界、プラズマをターゲットにした核融合研究は、われわれの核融合科学研究所が推進している大型ヘリカル装置(LHD)実験のように、学術研究と科学技術の高度なインテグレーションによるものだ。

 核融合反応を起こすためには、燃料物質を密度が1立方センチあたり100兆個の状態で、1億度といった超高温状態に保つ必要がある。21世紀に入り、1億度のプラズマはごく普通に作れるようになり、密度も1立方センチあたり1,000兆個という高密度をLHDによって達成している。今後29年で、核融合発電を実現することは可能だ。29年という切りの悪い数字は、昨年のシンポジウムで、「30年で」と言い、1年過ぎたので(笑い)。

 3年後に、重水素とヘリウム3の核融合反応で300ワットの電力を起こし、世界に先駆けて電球をつける実験を計画している。

 地球の環境を守り、私たちの高度文明を1万年以上持続するために、核融合エネルギーの実現を目指したい。

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