公開シンポジウム「資源と環境が支える地球と人類の未来」(2007年2月3日、東京大学、サステイナビリティ学連携研究機構 主催)パネル討論報告から
気候変動は、まず貧しい国に大きな影響を与える。貧困、水資源、健康あらゆる問題が絡んでくる。インドには世界の人口の6分の1が集中している。今世紀の半ばには16億人くらいになって、安定するだろう。この人たちに食料を提供しなければならない。貧困の撲滅という野心的な計画を持っているが、26%が貧困層で、これら貧しい人々が気候変動には弱い。健康状態を高める努力をしているが道は遠い。病気の20%は環境由来といわれている。水の質、大気の質、衛生状態、有害な固体廃棄物のひとつだけ解決しても不十分。同時に解決しなければならない。
水については、単に地下水が減っているだけでなく水質も悪化している。農村はもっと悪化しており、水不足の状態になっている。下水の80%は処理されずに河川に流されており、水質の悪化は深刻だ。
固体ごみの量も急速に増えており、都市の埋立地不足はますます深刻になっている。土壌汚染も1997年には土地の60%が問題を抱えている。
エネルギーに関していえば、都市も22%は、まきや動物のふんなどバイオマス燃料を使っている。エネルギー消費は2031年までに6倍に増えると見られており、これらエネルギーの多くを輸入でまかなわなければならない。
いくつかの選択のうち、太陽熱、風力、水力、産業用省エネなど、多くのことを日本から学べると思う。