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他人のiPS使い世界初の臨床研究開始 理研などが網膜細胞で

掲載日:2017年2月7日

他人の人工多能性幹細胞(iPS細胞)から作成した網膜細胞を目の重い病気の患者に移植する臨床研究を理化学研究所(理研)、京都大学、大阪大学などの研究グループが開始した。厚生労働省の専門部会の了承を受けての臨床研究開始で世界初の試みという。理研多細胞システム形成研究センター(神戸市)の高橋政代(たかはし まさよ)プロジェクトリーダーらが6日神戸市で発表した。

理研によると、臨床研究の対象は、物を見るために重要な黄斑部の働きが低下、視野がゆがみ視力が低下する「滲出(しんしゅつ)型加齢黄斑変性」の患者。この目の病気については、理研などが患者本人から作ったiPS細胞を使った移植を2014年に実施している。

臨床研究計画によると、京都大学iPS細胞研究所の山中伸弥(やまなか しんや)所長らの研究グループが備蓄しているiPS細胞を使う。患者にとっては「他人のiPS細胞」だが、移植しても拒絶反応が少ない型の人からの細胞が使用される。本人のiPS細胞を使う場合よりも移植までの期間を短縮でき、コストも大幅に削減できるという。京都大学は先月、試薬を取り違えた恐れがあるとして一部の備蓄細胞の提供を停止したが、使用を予定している細胞に問題はないとしている。

理研多細胞システム形成研究センターがこの備蓄iPS細胞を網膜細胞に成長させる。移植治療は神戸市立医療センター中央市民病院と大阪大学大学院医学系研究科が行う。研究グループは移植対象患者の募集も開始した。

理研などの研究グループによる計画の安全性を審議していた厚生労働省の専門部会は1日に臨床研究の実施を了承していた。

図 他人のiPS細胞を「滲出型加齢黄斑変性」の患者に移植する臨床計画の概要図(理研提供)
図 他人のiPS細胞を「滲出型加齢黄斑変性」の患者に移植する臨床計画の概要図(理研提供)
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