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ESAとロシアの火星探査機火星到達 着陸機とは交信できず

掲載日:2016年10月20日

欧州宇宙機関(ESA)とロシア宇宙庁の共同火星探査計画「エクソマーズ」の探査機がこのほど火星周回軌道に到達し、探査機の母船「TGO」は火星着陸機「スキャパレリ」を無事分離した。しかし、ESAによると19日(GMT)の着陸予定時間を過ぎてもスキャパレリと交信できない状態が続いているという。

スキャパレリは直径約1.7メートルの円盤形の小型着陸機。着陸後に火星大気の温度や風の有無や速さなどの気象データを収集し、TGOを経由して地球上に送ってくる計画だった。ESAによると、スキャパレリは19日に火星大気圏に突入したことは確認できたが、火星地表面への着陸予定時間寸前に通信が途絶えたという。

ESAはスキャパレリとの交信を試みつつ通信途絶の原因を調査している。着陸に失敗したか、着陸はしたものの通信システムがトラブルを起こした可能性が高い。スキャパレリが失敗してもTGOは高度400キロを周回し、生命活動と関わりが深いメタンの分布などを調べる予定という。ESAとロシア宇宙庁はTGOとスキャパレリで構成される探査機を今年3月にカザフスタンのバイコヌール宇宙基地から打ち上げた。

火星探査については、1997年7月にNASAの火星探査機「マーズ・パスファインダー」の小型探査車「ソジャーナー」が初めて火星表面の軟着陸に成功し、精密な地形の画像や分析データを地球上に送った。その後2012年8月には大型探査機「キュリオシティ」を火星赤道付近に着陸させている。これまで火星探査機は、着陸しない探査機を含めると40機以上が打ち上げられているが、失敗も多く技術の難しさを示している。

ESAは2003年に初の火星探査機着陸に挑戦したが着陸後に通信不能となり失敗しており、今回再挑戦だった。日本も火星探査機「のぞみ」を98年に打ち上げたが軌道に投入できなかった。

図 火星探査機の母船「TGO」(右)から分離されて火星に向かう円盤形の着陸機「スキャパレリ」(中央)の想像図(ESA提供)
図 火星探査機の母船「TGO」(右)から分離されて火星に向かう円盤形の着陸機「スキャパレリ」(中央)の想像図(ESA提供)
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