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救命実績、がん検診受診率、医療費支出に問題 OECD報告で明らかに

2015.11.06

 日本の病院に心臓発作(急性心筋梗塞)で入院した患者の死亡率は経済協力開発機構(OECD)加盟国平均を50%上回っていることが、OECDの「図表でみる医療2015年版」で明らかになった。

 4日公表された「図表でみる医療2015年版」によると、「日本では医療の質は総じて非常に良好」とされている。脳卒中による入院後の患者の死亡率は、OECD諸国の中では最も低い。しかし、心臓発作の死亡率が高く、「救命実績が良いとはいえない」としている。

 また、子宮頸(けい)がんと乳がんの検診受診率が、検診推奨年齢層の女性のわずか約40%と、OECD全体の平均60%前後に比べて低い数字を挙げて、「がん対策を強化する余地がある」と指摘している。

 さらに、2013年の日本の医療費支出が対国内総生産(GDP)で10.2%と、OECD加盟国平均の8.9%より大きく、かつOECD加盟国より急速に伸びているとして、「増大する支出が効果的に使われるよう推進すべきだ」と提言している。OECD諸国に比べジェネリック医薬品市場拡大の努力が不足しているという問題点も指摘した。報告によると、日本のジェネリック医薬品の医薬品市場総額に占めるシェアは11%。これは、OECD平均の半分にも満たない。国民1人当たりの医薬品支出も米国に次ぐ高さで、OECD加盟国平均を45%上回っているという。

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