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国際競争力弱い重要領域 科学技術予測調査で判明

2015.09.07

 今後、30年程度を見越して重要と見なされるにもかかわらず国際競争力が低いとされる科学技術領域が、2日公表された科学技術・学術政策研究所の「分野別科学技術予測」で浮き彫りになった。データサイエンス関連など最近、関心が高まっている領域が含まれている。

 分野別科学技術予測は、今回で10回目となる「科学技術予測調査」の中の一つ。科学技術分野を8分野に大別し、合計932の科学技術トピックを設定し、4,300人の専門家にそれぞれの重要度、実現可能性、推進方策などを聞いた結果を基に、分析している。

 その結果、重要度が高いとされたにもかかわらず国際競争力は相対的に低いと評価されたトピックとして、「ソフトウエア」、「サイバーセキュリティ」、「新興・再興感染症」、「リスクマネジメント」、「製品・サービスシステム(PSS)」が挙げられた。このほか、「海洋観測・探査関連」、「安全で低コストの宇宙利用」、「大量データ利用技術」も、同様の評価となっている。

 また、その潜在可能性が注目されている「ビッグデータ・CPS(サイバー・フィジカル・システム=実世界とITが緊密に結合されたシステム)・IoT(モノのインターネット)」、「健康・医療情報、疫学・ゲノム情報」、「アナリティクス」、「人工知能」については、国際競争力が低めであるばかりでなく、重要性もあまり高く評価されていない。

 こうした結果について科学技術・学術政策研究所は、「専門的評価と社会の注目度合との差が見て取れ、技術的可能性と社会応用の可能性・問題点の見極めのための多様な関係者による議論が求められる領域と言える」と分析している。

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