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やる気ある人ほどリハビリ効果大 脳データからも裏付け

掲載日:2011年9月30日

やる気がある人ほどリハビリテーションの効果が上がることが、自然科学研究機構 生理学研究所などの研究グループによる脳の直接観察データからも裏付けられた。前向きにリハビリに励む脊髄損傷や脳梗塞の患者ほど回復が早いことは経験的に知られていたが、実際に脳の活動状態を調べた研究結果でも確認されたことになる。

自然科学研究機構生理学研究所の西村幸男准教授、伊佐正教授と、理化学研究所分子イメージング科学研究センターの尾上浩隆チームリーダー、浜松ホトニクス中央研究所の塚田秀夫PETセンター長らは、脊髄損傷を起こしてリハビリ中のサルの脳をポジトロン断層法(PET)を用いて調べた。この結果、やる気、意欲にかかわる大脳辺縁系の活動と、運動機能を司る大脳皮質運動野の活動に強い関連があることが分かった。前頭葉の眼窩(がんか)前頭皮質といった情動と関連する脳の部分との関連性も、運動機能回復によって高まっていくことが明らかになった。

こうした結果から、研究チームの西村幸男准教授は「実際のリハビリテーションでは、神経損傷後のうつ症状が運動機能回復の妨げになっていた。運動機能に着目するだけでなく、精神神経科医師を加えた心のケアや支援が重要だ」と言っている。

この成果は、科学技術振興機構 戦略的創造研究推進事業 個人型研究(さきがけ)の「脳情報の解読と制御」研究領域(研究総括:川人光男・国際電気通信基礎技術研究所 脳情報通信総合研究所所長)の一環として得られた。

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