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日独が協力して小惑星探査計画推進

2017.09.22

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)とドイツ航空宇宙センター(DLR)は、宇宙開発分野での日独協力に関する共同声明を20日発表し、日独2宇宙機関が協力して惑星科学分野に貢献する小惑星探査計画を進めることなどを明らかにした。

 JAXA関係者などによると、JAXAは探査機「デスティニー+(プラス)」を2018年度から開発。22年に小型ロケット「イプシロン」で打ち上げる予定で、DLRはデスティニー+に搭載する小型・軽量の観測機器の開発などを担当するという。

 デスティニー+は大型のイオンエンジンを搭載している。計画では、打ち上げ後、地球を周回しながら月に接近し、月の重力を利用して遠方への飛行を続けて小惑星「フェイトン」などを探査する。毎冬夜空で見られる「ふたご座流星群」は、フェイトンがかつて地球の軌道を通り過ぎたときに残したちりがもとになっているとみられている。このため、探査計画はフェイトンのちりなどを観測することにより、ふたご座流星群のなぞにも迫ると期待されている。

 共同声明はこのほか、日独2宇宙機関が衛星による温室効果ガス観測データの精度向上やデータの利用促進を通じて気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の議論に貢献することや、国際宇宙ステーション(ISS)含む微小重力環境を活用することなどを盛り込んでいる。

写真 DLRエーレンフロイント長官(左)とJAXA奥村理事長(右)(提供・JAXA)
写真 DLRエーレンフロイント長官(左)とJAXA奥村理事長(右)(提供・JAXA)
図 探査機デスティニー+の開発構想段階の概念図(JAXA宇宙科学研究所研究チーム作成・提供)
図 探査機デスティニー+の開発構想段階の概念図(JAXA宇宙科学研究所研究チーム作成・提供)

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