旭硝子財団が地球環境問題の解決に尽くした研究者らに贈る「ブループラネット賞」の今年(第26回)の受賞者に、気候変動の研究を通じて「パリ協定」誕生に貢献したドイツ・ポツダム気候影響研究所所長のハンス・J・シェルンフーバー教授(67)と、人間が他の生物に及ぼす影響を研究した米スタンフォード大学生物学部のグレッチェン・C・デイリー教授(52)の2人が選ばれた。同財団が14日発表した。2人の 受賞記念講演会が10月19日に国際連合大学(東京都渋谷区)で行われる。
同財団によると、シェルンフーバー教授は、数学的モデルを駆使して「地球システム解析」と呼ばれる新しい科学領域の開拓に寄与。地球温暖化対策の枠組み「パリ協定」に産業革命前からの気温上昇を2度未満に抑えるとの目標を盛り込むための科学的根拠を示した。
デイリー教授は、長年の実地調査を基に人間の営みが生物圏に及ぼす影響を研究。人間の影響により変化する生物多様性などを定量的に理解して将来を予測する実践的、学際的分野を開拓するなどして、自然と調和して繁栄していく持続可能な社会の実現に尽力した。
ブループラネット賞は、旭硝子財団が地球サミット開催を機に1992年に創設した。毎年、地球環境問題の解決に向けて科学技術の面で著しい貢献をした個人または組織を選んでいる。
(旭硝子財団提供)
関連リンク
- 旭硝子財団プレスリリース「2017年(第26回)ブループラネット賞 受賞者発表」