環境省と国立環境研究所は6日、二酸化炭素(CO2)など温室効果ガスの国内排出量は2015年度実績で13億2,100万トン(CO2換算)だった、と「速報値」を発表した。前年度比3.0%減で2年連続の減少となった。
同省によると、15年度実績は05年度比では5.2%減。政府は20年度に05年度比3.8%削減する短期目標を掲げているが、この短期目標は達成したことになる。
温室効果ガスの大半を占めるCO2排出量を排出部門ごとに15年度実績でみると、産業部門(工場など)は 4億1,300万トンで前年度と比べて 2.1%(860万トン)減少した。また運輸部門(自動車など)は2億1,600 万トンで、同1.8%(390 万トン)減少。家庭部門は1億8,200万トンで、同4.8%(920 万トン)減少。エネルギー転換部門(発電所など)は 8,820 万トンで同5.4%(510 万トン)減少した。
環境省は排出量が2年連続で減少した15年度実績の要因について「省エネルギーの進展や再生エネルギーの導入拡大などによってエネルギー起源のCO2排出量が減少したことなどが挙げられる」などとしている。
政府は、温室効果ガス排出量を20年度に1990年度比25%削減する目標を2009年に掲げたが、13年に撤回し、新たな目標を05年度比3.8%減に変更した。その後、地球温暖化対策の新枠組み「パリ協定」の交渉を通じて、30年度に13年度比26%削減する長期目標を新たに設定している。
関連リンク
- 環境省プレスリリース「2015年度(平成27年度)の温室効果ガス排出量(速報値)について」