イノベーションは今後も目覚しく進むだろう。しかし、その予測は難しい。10年後の未来の生活に影響する「2025年の世界:10のイノベーション予測」を、国際的な情報サービス企業のトムソン・ロイターが7月23日発表した。
現在の科学論文の引用傾向と特許データを包括的に俯瞰して、発生しつつある技術の動向を分析した。まず、現在注目を集める先端研究の10の領域を特定した。さらに世界の特許データから、出願日が2012年以降で、発明数がより多い特許分野10を決めた。そのうえで、ビジネスと科学研究で関心レベルが高い分野を絞り込み、近い将来に最大の新発見につながると期待される技術革新のホットスポット10を探しだした。
こうしたイノベーションの長期予測は、トムソン・ロイターとして初めての試み。選定した10のイノベーション予測には多様な分野が含まれており、順位はつけていない。病気・健康では、認知症の減少、インスリンが分泌されない1型糖尿病の予防、がん治療の副作用激減、出生時DNAマッピングの4項目が入った。
エネルギー関連では、太陽が最大のエネルギー資源として浸透、電力による航空輸送開始、セルロース由来の梱包材の流通、が挙げられた。そのほか、食糧難や食料価格の変動の抑制、あらゆるもののデジタル化、目新たしい項目では、テレポーション実験の現実化が加わった。10年後に本当に実現するのか、首を傾げたくなるテーマもあるが、2025年の世界を予想する一つの手がかりにはなる。
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- トムソン・ロイター プレスリリース