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小中とも観察・実験の分析が苦手

2012.08.09

 文部科学省は8日、小学校6年生と中学校3年生を対象に実施した平成24年度全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の結果を公表した。これまでの国語と算数・数学に今回初めて加わった理科では、小中学生とも「観察・実験の結果などを整理・分析した上で、解釈・考察し、説明することなどに課題がみられる」という。

 今回が5回目となる同テストは、全小中学校の約3割の約9,700校を抽出して今年4月17日に実施した。その結果、小6理科の全体での平均正答率は61.1%、中3理科は52.1%だった。

 設問ごとの平均正答率が最も低かったのは、小6理科では「天気の様子と気温の変化の関係についてデータを基に分析して、その理由を記述する設問」(平均正答率17.1%)、中3理科では「豆電球と発光ダイオードを用いた電流回路をつくる実験の方法を検討し改善して、科学的な根拠を基に正しい実験方法を説明する設問」(同7.8%)だった。

 さらに、「科学的な言葉や概念を使用して考えたり説明したりすること」(小6理科)、「実生活のある場面において、理科に関する基礎的・基本的な知識や技能を活用すること」(中3理科)が弱いことが分かった。

 児童生徒へのアンケートでは、理科の勉強が「好き」と答えた小6は82%だったが、中3では62%と20ポイント低下した。理科の授業の内容は「よく分かる」と回答した小6は86%と、国語(83%)、算数(79%)よりも高かったが、中3では65%と21ポイントも下がり、国語、数学の下がり幅(各11、13ポイント)よりも大きかった。また、理科の勉強は「大切」「将来社会に出たときに役立つ」と答えた割合は、他の国語、算数・数学よりも低かった。

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