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太陽光・風力の導入可能量、中小水力・地熱より大

2012.07.17

 環境省は13日、太陽光、風力など再生可能エネルギーの国内導入可能量についての試算結果を公表した。

 昨年8月に成立した再生可能エネルギー買取法に基づき、7月1日から再生可能エネルギーの固定価格買取制度がスタートしている。この買取価格は、導入を促進する狙いから高めの価格に設定された。

 買取制度は太陽光発電について、1kWh(キロワット時)42円の買取価格で、出力10kW(キロワット)以上の発電施設では20年間、10kW未満なら 10年間、買い取ることを電力会社に義務づけている。環境省によると、38円・15年間という買取価格・期間が保証されれば、住宅を除く公共建築物や発電 所・工場・物流施設、未利用地(耕作放棄地を除く)に太陽光発電設備を設置することで、2,600万kW程度の事業化が可能。買取価格を44円とより高く 設定すれば、4,400万kW程度に増える。

 耕作放棄地を利用すると、借地料や送電線建設費がかかり採算性は低下するが、44円・15年間という買取価格・期間の設定なら、さらに3,600万kW程度の導入が可能としている。

 風力発電は陸上施設の場合、買取価格・期間が15円・15年で1,800万kW、20円・20年で1億3,300万kW程度の導入が可能。洋上(着床式) は、25円・15年で1,900万kW、25円・20年で6,200万kW、洋上(浮体式)は、30円・15年で1億3,600万kW、30円・20年で 3億kWの導入が期待できるとされた。

 風力の買取価格は、20kW以上の施設で23.1円、20kW未満で57.75円(いずれも期間は20年)となっている。

 中小水力発電(既設発電所を除いた河川部)、地熱発電の導入可能量は、風力、太陽光に比べると小さい。中小水力の買取価格は、200-1,000kWの発 電施設で30.45円、200 kW未満で35.7円(いずれも期間は20年)となっている。環境省の試算では、買取価格・期間が30円・20年で289万kW(2,074地点)が導入 可能とされた。

 地熱の買取価格は、15,000kW以上で27.3円、15,000kW未満で42円(いずれも期間は15年間)となっている。150℃以上の蒸気や熱水 でタービンを回す「蒸気フラッシュ方式」による地熱発電は、27.5円・15年の買取価格・期間で580万kW、20円・20年の買取価格・期間で530 万kW程度が導入可能とされた。

 一方、蒸気や熱水で直接発電できない120-150℃の「バイナリー発電方式」については、買取価格が40円未満での導入は採算性の観点から事業化は難しく、50円・20年の買取価格・期間でも、導入可能なのは4万kW程度にとどまることが分かった。

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