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日本学術会議が東日本大震災復興への5つの提言発表

2012.04.09

 日本学術会議(会長、大西 隆・東京大学大学院工学系研究科教授)は9日、同会議内に昨年10月設置した東日本大震災復興支援委員会およびその3つの分科会が審議、検討を重ねてきた東日本大震災の復興に関わる5つの提言を発表した。

 東日本大震災復興支援委員会(委員16人)からの提言『学術からの提言-今、復興の力強い歩みを』では、「災害に強いまちづくり分科会」(委員11人)の提言『二度と津波犠牲者を出さないまちづくり-東北の自然を生かした復興を世界に発信』、「産業振興・就業支援分科会」(同13人)の提言『被災地の求職者支援と復興法人創設-被災者に寄り添う産業振興・就業支援を』、「放射能対策分科会」(同17人)の提言『放射能対策の新たな一歩を踏み出すために-事実の科学的探索に基づく行動を』の総説を述べ、さらに全国の自治体で問題化している『災害廃棄物の広域処理のあり方について』の提言を付け加えている。

 このうち『二度と津波犠牲者を出さないまちづくり-東北の自然を生かした復興を世界に発信』では、「減災庁」の新設や緊急時対応のための保健・医療・福祉機関のネットワーク形成のほか、政府広報や報道各社に対し正確な情報に基づく冷静な報道を求めている。

 『被災地の求職者支援と復興法人創設-被災者に寄り添う産業振興・就業支援を』では、地域別・属性別の就職率目標の設定、復旧整備補助事業の改善などを求め、『放射能対策の新たな一歩を踏み出すために-事実の科学的探索に基づく行動を』では、放射能汚染による健康被害防止のための研究協働体制の構築、社会とのリスクコミュニケーションのあり方の検討などを求めている。『災害廃棄物の広域処理のあり方について』は、国は、被災地側の希望と受け入れ地側の希望条件(廃棄物の種別や放射性物質濃度など)が適合するよう調整し、広域処理が円滑に進む環境を整えるべきだとしている。

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