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六ヶ所村再処理工場の試験再開延期

2012.02.06

 青森県六ヶ所村の使用済み核燃料再処理工場の最終準備段階として再開予定だった「ガラス固化試験」が、高レベル放射性廃液とガラスを混ぜて溶かす溶融炉のトラブルで3月上旬以降に延期されることになった。日本原燃が3日発表したもので、「今年10月の工場完成目標は変わらない」という。

 「ガラス固化試験」は、施設の相次ぐトラブルで2008年12月以来、中断していた。その後、別系統の溶融炉で試験を再開させることとして、ようやく先月24日からガラス固化設備の作動確認を行っていたが、溶かしたガラスの流れる速度が遅くなる異常が見つかった。

 調べたところ、ガラスの中に固形の異物が確認され、炉内のレンガの破片か炉の加熱装置に付着したサビのようなものと考えられた。そのため、ガラス固化試験の開始を延期し、ドリルで除去する作業を始めることにしたという。

 同再処理工場では、使用済み核燃料からプルトニウムとウランを取り出し、原発の燃料として再利用するための施設として1993年に着工した。当初は97年の工場完成を目指していたが、溶融炉内でガラス溶液の流下を促す金属棒が折れたり、高レベル放射性廃液で作業員が被ばくするなどのトラブルが相次ぎ、完成目標時期はこれまで18回も延期されている。

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