金星探査機「あかつき」を載せたH-IIAロケットが21日午前6時58分、種子島宇宙センターから打ち上げられた。
「あかつき」は12月に金星に到達、近地点300キロ、遠地点8万キロという長円軌道を回りながら、金星の大気の状態を観測する。金星は地球と質量、大きさがあまり違わない惑星だが、二酸化炭素(CO2)の厚い大気と硫酸の雲に覆われており、秒速100メートルもの強風が吹く地球とは全く異なる表情を持つ。
「あかつき」の観測により、なぜ強風が吹いているかなど特徴ある気候の成り立ちのほか、活火山の有無などについても新発見が期待されている。
H-IIAロケットには、太陽光の圧力を膜(ソーラーセイル)に受けて推進力とする“宇宙ヨット”「IKAROS」も搭載されている。「IKAROS」も金星に向けて航行し、ソーラーセイルによる加速、軌道制御などの技術の獲得を目指す。
両衛星と共に、公募によって選ばれた大学が開発した小型衛星4個も打ち上げられた。