野生動物による農作物の被害総額が、昨年度約196億円にのぼり、前年度に比べ10億円、割合にして5%増えたことが、農林水産省がまとめた都道府県からの報告で明らかになった。
被害額が増えているのは、イノシシやシカといった獣類が多く、鳥類は、前年に比べ、ほとんど減っている。
もっとも被害額が多かったのは、イニシシで約55億円、前年度に比べ6億円、13%の増加となっている。次いで、シカ約43億円(対前年比11%増)、カラス約31億円(同8%減)、サル約16億円(同17%増)、クマ約8億円(同約2.5倍)となっている。
1年間で被害額の伸びが大きかったのは、クマが突出しているが、これに続きハクビシンが被害額約2億円(対前年比26%増)と、伸びが目立っている。
一方、被害面積では10万6千ヘクタールと前年度に比べ1万5千ヘクタール、比率にして12%減少しており、被害がより集中していることが分かる。
なお獣類と鳥類の被害総額を比べると、獣類が鳥類の2.2倍となっている。