神経細胞のシナプスに存在するタンパク質の結合が、双方向の情報伝達に重要な役割を果たしていることを、理化学研究所と米国マサチューセッツ工科大学(MIT)の研究グループが突き止めた。
双方向の伝達役となっていることが分かったのは、細胞同士を“のり付け”していると考えられているニューロリギンと呼ばれるタンパク質。
脳神経細胞間の情報伝達は、シナプスと呼ばれる接合部を介して行われている。これまで信号が伝達する方向は、一方向と思われていたが、その常識を覆すとともに、シナプス間隙では両方向に信号が伝わるということを具体的に明らかにした点で意義深い、と研究グループは言っている。
理研-MIT脳科学研究センター・興奮性シナプス可塑性研究チームの林康紀チームリーダー、理研脳科学総合研究センター・神経構築技術開発チームの端川勉チームリーダー、二井健介基礎科学特別研究員らによる研究成果。