日本原子力研究開発機構は、原子力を利用して水素を製造する技術の実用化につながる成果を挙げ、4日発表した。
同機構は、将来の革新的原子力システム技術として期待される高温ガス炉の研究開発を進めている。高温ガス炉の特徴は、高温の熱を利用して水を分解し、水素を製造できること。今回の研究開発の対象となった水素製造方式は、ヨウ化水素と硫酸と水の化学反応を利用して、最終的に水素を製造し、外部に有害な物質を一切、排出しない長所を持つ。
この方式の実用化には、高温に耐える硫酸分解器の開発が不可欠だが、同機構は耐圧性・耐食性に優れたセラミックス製の硫酸分解器の試作に成功した。