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8月、今年の日本列島は連日の猛暑が続いている。そんな時、思わず、飲みたくなるものと言えば…。きゅっと冷えたビールではないだろうか。よく冷えたグラスに注がれるあの黄金色に輝く液体。キンキンに冷えたビールを飲めるのは大人になっての醍醐味(だいごみ)である。
本書はそんなビールについてひと味違った楽しさと奥深さを詰め込んだ一冊となっている。小ネタ的話題から、科学的、歴史的な話題まで、ビールにまつわるあらゆる話がテーマごとに分かりやすく盛り込まれている。実に読みやすい一冊だ。
1章ではビールの原料や作り方が紹介されており、発酵や酵母といったキーワードが出てくる。一番搾りって? 黒ビールって普通のビールと何が違うの? といった疑問に答えてくれるのもこの章である。2-5章では、ビールをおいしく味わうためのあれこれがあらゆる角度から紹介されている。注ぎ方に始まり保存方法、おつまみの話からビアカクテルの作り方。そしてホットビールやアイスビールなんてものまで紹介されている。
5章では世界のビールとして、ドイツ、ベルギー、英国、アイルランドなどのビールが実においしそうな写真と一緒に紹介されている。海外におけるビールは日本のものとはずいぶん様子が違っていて面白い。6、7章ではビールの歴史が紹介されている。古代エジプト人はかなりのお酒好きで、壁画には酔っぱらいの絵が描かれているというのは驚きだ。
本書を読み終えると「とりあえずビール」ではなく、「ぜひビール」と言いたくなる一冊である。