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私は、昔から中国が大好きで年に何度も中国の大学や研究所を訪問し、友人もきわめて多いのですが、今日の中国の躍進振りは、目を見張るばかりで、将来どこまで発展するのか想像がつきません。
しかしながら、これまで、基礎研究から企業化までトータルで中国の科学技術力を解説した書物はありませんでした。本書は、論文、特許を始め中国の各種アウトプットを説明した上で、分野別に中国の科学技術力のベンチマークを測定しています。中国の科学技術の動向等を広く分析した必見の資料だと思いますので、推薦します。
「報告書の概要」
中国の研究開発費は急激に増加し、企業の研究開発費の使用比率も先進国並みとなり、研究者数も米国や欧州全体と同規模にあり日本の2倍近いという状況である。このように進歩が著しい中国の科学技術の全般的な状況を概観することを目的に、文部科学省科学技術・学術政策局、科学技術政策研究所、科学技術振興機構研究開発戦略センターの持つ最新の調査・データに基づいて、研究開発費、研究人材、研究論文、特許、技術貿易額、ベンチャー動向などの科学技術のリソースからアウトプットまで諸外国との比較を通じて中国の科学技術基本データを分析した。さらに電子情報通信、ナノテクノロジー・材料、先端計測技術、ライフサイエンス、環境技術の5分野における国際科学技術力比較調査結果により中国の科学技術力の水準を分析した。