レポート

NHKサイエンススタジアム2013

2013.10.16

サイエンスポータル編集員

公開収録を待つ人たちの列
公開収録を待つ人たちの列

 スタジオを飛び出したNHKの科学系人気番組。
9月28日(土)、29日(日)の2日間、ここ日本科学未来館にやってきた。

 建物を取り囲むかのように続く長い列。
テレビ60周年記念企画“カガクを遊びつくそう”をコンセプトに、番組初の公開収録が行なわれるとあって、今か今かと収録を待つ番組ファンの人たちだ。

  • ラジオ第一「夏休み子ども科学電話相談」
  • Eテレ「サイエンスZERO」
  • BSプレミアム「コズミックフロント スペシャル」
  • Eテレ「すイエんサー」
  • Eテレ「名作ホスピタル」

の5番組が2日間に渡って収録された。

 どの番組も小さな子供たちから年配の方まで幅広い年齢層の人々が訪れ、約500席ある客席はいずれも満席、立見エリアも幾重にも重なる人たちで溢れかえり、番組の人気の高さをうかがい知ることができた。

 上記の番組のうち、「サイエンスZERO」に出演されていた科学コミュニケーターの方にお話を聞いた。

 科学コミュニケーターの役割は、伝える内容を懸命に考えてプレゼンテーションするだけではなく、如何にして伝えるかが大切、わかりやすく伝える方法を次々と開拓していく必要がある。
科学館に足を運んでくれた人たちに、内容を正しくプレゼンテーションすることは勿論大切なこと。これからは伝える方法もただ言葉で伝えるだけではなく、一見何もクロスしないような漫才や音楽などを通して親しみやすく伝えることにもトライしていきたい。

 また、インタビュワーとして出演されていた黒ラブ教授(*)からこんな話を聞くこともできた。

 科学が好きな人たちは自ら科学館や博物館に足を運んでくれるが、興味のない人たちはわざわざ仕事や学校が休みでも来てはくれない。
科学に興味のない人、苦手意識のある人にも興味を持ってもらえるキッカケを作っていきたい。そのため伝える場所も科学館などに限らず幅を広げ、誰もが立ち寄るスーパーマーケット、科学と直接クロスマッチしないお笑い劇場など、ありとあらゆる場所でサイエンスコミュニケーションを展開していくことも大切だと思う。

黒ラブ教授:よしもとクリエイティブエージェンシー所属芸人。理系ネタで科学館、科学祭、舞台で活躍中のサイエンスコミュニケーター。2012年サイエンスアゴラ賞、フジテレビ賞受賞。

   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇

 番組公開収録のほか、展示コーナーも設けられた。

 各番組で使用しているセットの展示や実際番組で行われた実験内容を直接体験できるようになっており、どの番組も多くの人たちで賑わっていた。

 この2日間は、NHKからの展示のほか、東京大学、東京理科大学、お茶の水女子大学のワークショップもあった。

 どのコーナーでも子供たちの目が輝き、その様子を見守る保護者の方々が楽しそうに微笑んでいる。そんなほのぼのとした家族の風景が、このイベントの大成功を物語っている。

火星探査機「キュリオシティ」の実物大模型
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ライブステージで繰り広げられるショーには多くの人が集まった
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