【5. Revolving Green Fundに対する外部評価 】
|
|
2014年6月にHEFCEが公表した外部評価報告書「Evaluation of Rounds 1 to 3 HEFCE’s Revolving Green Fund」の中から、一部を抜粋して紹介する。 |
【評価サマリー】
|
2005年から2012年にかけて、イングランド地方の高等教育機関はCO2排出量を5%(104,623トン)削減した実績がある。これは高等教育分野が設定した2020年の削減目標値の約12%に相当する。 |
|
RGFプロジェクトは、CO2排出量を年間103,000トン削減すると予測されている。これは2020・21年度のCO2削減目標の約12%である。RGFプロジェクトによるCO2排出量の削減量は、高等教育機関が上記のように既に達成した削減量と多少重複する部分もあるが、ほとんどは追加的削減である。 |
|
RGFは、高等教育機関による経費の削減とCO2 排出量の削減を支援するため、今までの3回の公募によって合計6,120万ポンド(104億円)の資金助成(ローン)を行ってきた。 |
|
今までの3次にわたる公募の全プロジェクトが完了した場合、RGFプロジェクトは年間約1,900万ポンド(32億円)の経費削減が期待されており、高等教育機関はこの節減した資金を教育、研究および知識交流活動などに回すことができるであろう。 |
|
2010年度に行われた外部評価時のRGFによるCO2排出量削減予測は45,353トンであったが、現在では103,318トンと大幅に削減予測が改善されている。 |
|
RGFに応募経験がある、またはRGFからの助成を受けたことがある高等教育機関は、RGFに全く関わらなかった高等教育機関に比べて、平均で7~10%多くのCO2排出量削減を達成している。 |
|
RGFは、大学のシニア・マネージメント層にCO2排出量削減活動への意識を高め、CO2排出量削減プロジェクトの実現に導いたといえる。また、RGFからの助成金に追加して大学自身の資金2,390万ポンド(41億円)の投資ももたらしている。 |
|
第3次RGFに応募した高等教育機関の90%が次回のRGFに再度応募したいと回答した。また、全高等教育機関を対象としたアンケート調査では、57%が次回のRGFにおそらく応募すると答え、前回のアンケート調査時の40%から増えている。 |
|
第3次RGFに応募した高等教育機関の10%(7大学)が、次回RGFの大規模プロジェクトに応募すると回答した。28%(20大学)は小規模プロジェクトに、30%(21大学)は、両方のプロジェクトに応募したいと答えた。 |
【今後のRFGに対する高等教育機関からの提案】
|
広報活動と知識の共有の改善(高等教育分野のエネルギー担当マネージャー間の知識共有の促進) |
|
CO2削減への大学の資金計画を進めるためにも、今後のRFGの継続性に関する、より明確な情報の提供が必要。また、より長い応募期間とプロジェクト実施期間がベター。 |
|
助成形態をローンから返済義務のないグラントへの変更。大型プロジェクトに対するより大型の助成。CO2削減をしない高等教育機関への助成金削減などのペナルティーの導入。 |
|
多くの高等教育機関に刺激を与えると共に知識を共有するために、より多くのCO2排出量削減策の事例の創出と紹介等。 |
【サマリー表】
|
プロジェクト数 |
プロジェクト費用 |
CO2年間削減 |
年間節減額 |
公募 |
アンケート調査に回答を寄せた高等教育機関 |
第1次 |
1,412件 |
£28,001,480 (47億6020万円) |
56,562トン |
£7,888,250 (13億4,100万円) |
第1次 |
55件 |
£9,127,130 (15億5,160万円) |
10,622トン |
£1,727,318 (2億9,360万円) |
第3次 |
125件 |
£16,174,527 (27億4,970万円) |
17,197トン |
£3,612,649 (6億1,420万円) |
合計 |
1,592件 |
£53,303,137 (90億6,150万円) |
84,381トン |
£13,228,217 (22億4,880万円) |
|
1次から3次までの公募に採用された全プロジェクト |
合計 |
2,104件 |
£85,106,551 (144億6,800万円) |
125,998トン |
£21,202,251 (36億440億円) |
イングランドの全大学に占める割合 |
76% |
63% |
67% |
62% |
|
|