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科学とニセ科学(3)

掲載日:2006年10月31日

ニセ(疑似)科学に関する報道が着実に増えている。

10月28日付け読売新聞夕刊,週刊KODOMO新聞の「ふしぎ科学館」欄は「血液型」を取り上げている。

そもそも「血液とは何か?」から始まり、1901年のオーストリアの医学者による血液型の発見、その科学的意味を解説、最後に血液型による性格判断は根拠がないことを丁寧に説明している。

記事によると「放送・倫理番組向上機構(BPO)」は2004年、「血液型と性格の関係は証明されていない」として、血液型性格診断のような番組は流さないよう放送局に呼びかけたという。しかし、今でも雑誌などでは血液型性格診断のような特集はいくらでも見かけることができる。

この記事にはニセ科学という言葉自体は出てこないが、標的は明らかに日本で信じられている「血液型と性格は関係あり」というニセ科学的言説だろう。じっくり読ませる良い記事だ。ただ、見出し「血液型と性格 無関係?」の最後のクエスチョン・マークはいだだけない。腰が引いているようにしか見えない。

10月29日付け日本経済新聞朝刊「サイエンス」面の「かがくCafe」欄の池内了・総合研究大学院大学教授へのインタビューはテーマが「疑似科学」。

池内教授によれば、「いつの時代も社会は矛盾と非合理に満ちているものではありますが、それに対してきちんと抗議の声を上げる態度が弱まっています」

決して「科学」だけの問題ではないのだ。

「政治家や官僚の腐敗、格差の拡大といったことをおかしいと内心思いつつも深く考えずにのみこんでしまう。これは疑似科学のような不合理なものをも黙認する態度に通じるものがあると思います」

ニセ科学の横行はかなり根が深い社会的、文化的問題と言えそうだ。

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