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日本企業も化学物質規制の国際的流れに対応

2006.07.07

 「松下電器産業や富士写真フィルム、TDK、三菱化学など素材、部品、完成品メーカーは化学物質の情報管理方式を共通化する」

 日経新聞4日朝刊の企業総合面が伝えている。日本企業の競争力強化が直接の目的だろうが、持続可能な地球という、より大きな課題に対する企業責任という観点から読んでも興味深い。

 「1日施行された欧州連合(EU)の『RoHS(ローズ)指令』など、製品に含まれる化学物質の規制が世界規模で強化されていることに対応」した動きというからだ。

 各社が共通化する情報管理方式とは「化学物質の濃度などのほか、部材の加工時に性質が変化した後の化学物質の情報も把握できるようにする。情報は各社でデータベース化しネットを通じて検索できるようにする」。

 前述の社のほか、日立製作所、村田製作所、住友化学、セイコーエプソン、東芝、富士通、三菱電機、リコー、旭化成、花王、大日本インキ化学工業、ライオン、みずほ情報総研など「当初約30社が参加、自動車関連業界も参加を検討している」。

 名のあるメーカーは、大体参加するということだろう。

 さて、こうした動きのきっかけとなった「RoHS(ローズ)指令」とはいかなるものか。7月1日以降に市場に出される新しい電子電気製品には、鉛、水銀、カドミウム、6価クロム、ポリ臭化ビフェニル、ポリ臭化ジフェニルエーテルが含まれてはならない、という厳しい規制である。

 この基準に合うためには、製品メーカーは、自社だけでなく、部品、素材メーカーまでさかのぼって、自社製品にこれら有害化学物質が含まれていないか、確認する必要がある。逆にこうした取り組みをきちんとしなければ、EU市場から締め出されてしまうわけだから、企業として生き残れない、ということだろう。

 「来春からは中国や米国カリフォルニア州でも(『RoHS指令』と)同様の規制が始まり、EUではさらに対象物質使用の登録や安全性評価を義務付ける『REACH(リーチ)規制』も施行される見通し」

 こうした国際的な流れも記事は紹介している。(引用は日経新聞東京版から。)

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