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チャンドラセカール賞に韓国のパク氏、プラズマイノベーション賞に名大の堀氏

掲載日:2020年9月14日

アジア・太平洋物理学会連合プラズマ物理分科会(AAPPS-DPP、菊池満会長)は、プラズマ物理学の進歩に貢献した研究者に贈るチャンドラセカール賞の第7回授賞者に韓国・蔚山(ウルサン)科学技術大学校のヒヨン・パク教授を、またプラズマイノベーション賞の第2回授賞者に名古屋大学の堀勝教授(低温プラズマ科学研究センター長)をそれぞれ選出した。表彰式は10月26日にオンラインで開かれる第4回アジア太平洋物理学国際会議で行われる。

ヒヨン・パク氏(AAPPS-DPP提供)
ヒヨン・パク氏(AAPPS-DPP提供)
堀勝氏(AAPPS-DPP提供)
堀勝氏(AAPPS-DPP提供)

パク氏への主な授賞理由は「核融合プラズマ診断における独創的かつ先駆的な研究を通じて、電子サイクロトロン放射イメージング(ECEI)とマイクロ波イメージング反射計(MIR)を用いた電磁流体力学不安定性と乱流揺動の前例のない高解像度イメージングを可能とし、ノコギリ波崩壊過程、周辺局在モードなどにおける新たな物理現象の豊富な発見につなげた」。

同氏の高度な画像診断によって支援されたプラズマ物理学研究は、数値モデリングおよび理論との相乗効果を高め、韓国での核融合プラズマ研究プログラムを高め、現在、ECEIシステムは、トロイダル装置の大部分で標準的な研究ツールとなっているという。

パク氏は米カリフォルニア大学ロサンジェルス校で1980年と1984年にそれぞれ電気工学の修士と学位を取得。その後、プリンストン大学のプリンストンプラズマ物理研究所で研究生活を送った。2007年に韓国・浦項科学技術大学教授として韓国に戻り、核融合プラズマ研究センターの1つを設立。2013年に蔚山国立科学技術大学の物理学部に移り、新たな核融合研究センターを設立した。

堀氏への授賞理由は「低温プラズマの応用および基礎プラズマ科学技術への多様な卓越した貢献」。こうした貢献の中でも特に半導体製造用プラズマエッチングのための炭素膜マスク技術開発、機能性材料のラジカル制御プラズマ処理と合成のためのコンパクト原子状ラジカル計測装置と高密度ラジカル源の発明と商品化。プラズマ医療においては、さまざまながん細胞を選択的に殺すプラズマ活性培養液・プラズマ活性乳酸の発見が評価された。

堀氏は1958年岐阜県生まれ。1986年に名古屋大学で学位(工学博士)を取得後、1986年から1992年まで東芝ULSI研究所で研究開発に従事。その後、名古屋大学に戻り、2004年に教授に就任。現在、名古屋大学低温プラズマ科学研究センター長を務めている。

チャンドラセカール賞は、インド生まれの米国の天体物理学者で、プラズマ物理学に貢献し、1983年ノーベル物理学賞を受賞したチャンドラセカール(1910~1995年)氏を記念してアジア・太平洋物理学会連合プラズマ物理部門により2014年に創設された。プラズマイノベーション賞は、プラズマ応用分野で産業界へインパクトのある先駆的かつ独創的な貢献を行った研究者に授与する賞として2019年に創設された。

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