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血液中カフェインがパーキンソン病のバイオマーカーに 順天堂大グループ

掲載日:2018年1月5日

血液中のカフェインがパーキンソン病診断のバイオマーカーになり得ると、順天堂大学の研究グループがこのほど米科学誌ニューロロジーに発表した。パーキンソン病は進行性の神経変性疾患。研究グループによると、このバイオマーカーが実用化されて早期発見ができれば患者の病状進行を抑えることなども可能になると期待される。

パーキンソン病は有病率が10万人当たり140人で、神経変性疾患としては国内で2番目に患者が多い。手足などが震えたり、こわばったりする症状が徐々に進行する難病。高齢になるほど発症率は高まるため、社会の高齢化により患者数も増えると予想されている。症状や画像診断などで診断するが発症初期の判定は難しかった。一方、患者に症状が出る少なくとも10年以上前から脳内のある種の神経細胞が減少し始めることが最近の研究で明らかになり、注目されていた。

順天堂大学大学院医学研究科・神経学の大学院生・藤巻基紀さんと斉木臣二准教授、服部信孝教授らの研究グループは、コーヒーなどに含まれるカフェインを適量摂取することがパーキンソン病の発症予防に効果があるとした報告に着目。患者108人と健常者31人から採血して血液中のカフェインとカフェイン代謝物の濃度に差が出るかを調べた。

その結果、健常者はカフェイン摂取量と比例してカフェイン濃度が高くなっていたのに対し、患者はその相関関係が弱く健常者より濃度が有意に低かった。血液中のカフェインだけでなく9種類の代謝産物も摂取量との相関関係が弱かった。

これらのことから研究グループは、カフェインと9種類の代謝産物の濃度を調べれば、発症の初期でもパーキンソン病罹患を見つけることが可能で、これらが早期診断のバイオマーカーになり得る、と判断したという。患者は腸管からカフェインを吸収する力が弱いとみられることから、同グループは適切量のカフェインを投与することにより、症状の進行を遅らせたり、発症を予防することにつながる可能性がある、としている。

順天堂大学のロゴ(順天堂大学提供)
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