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心房細動の6関連遺伝子を新たに発見 発症リスク診断への活用に期待

掲載日:2017年4月19日

不整脈の中で最も多い心房細動の発症に関連する6つの遺伝子を見つけた、と理化学研究所(理研)を中心とする共同研究グループが18日発表した。同グループによると、既に9つの関連遺伝子を特定しており、合わせて15の遺伝子上の個人別の「一塩基多型(SNP)」を調べることにより、発症リスク診断に活用できる可能性があるという。研究成果は米科学誌ネイチャージェネティクス電子版に掲載された。

心房細動は心房内の異常な電気信号により心房が不規則に細かく震える不整脈で、心不全や脳梗塞に至ることも多い。これまでの研究で心臓弁膜症などの病気との関連や飲酒など生活習慣要因のほか遺伝的要因との関連も指摘されていた。

共同研究グループは、理研統合生命医科学研究センターの久保充明(くぼ みちあき)副センター長のほか、東京医科歯科大学、東北大学東北メディカル・メガバンク機構と岩手医科大学いわて東北メディカル・メガバンク機構、国立がん研究センター、佐賀大学医学部、名古屋大学大学院、愛知県がんセンター、米マサチューセッツ総合病院などの多くの研究者で構成された。

久保副センター長らの研究者は、心房細動の患者11,300人と健常者153,676人を対象に、「ゲノムワイド関連解析(GWAS)」と呼ばれる大規模な遺伝子解析を実施した。その結果、心房細動の直接の原因遺伝子ではないものの発症に関連すると思われる6つの遺伝子(感受性遺伝子)を新たに見つけた。このうちの5つは日本人だけ心房細動に関連することや、2つは神経回路の一部形成に関係することなども分かったという。

久保副センター長ら共同研究グループはこれまでに9つの心房細動感受性遺伝子を見つけており、合わせて15になった。同グループは、この15感受性遺伝子上にあり患者固有のSNPを調べることにより、心房細動発症の遺伝的リスクを診断できる遺伝子マーカーとして活用できる可能性がある、としている。SNPは個人によって遺伝子の塩基配列が1カ所だけ異なることから、さまざまな病気の発症リスク診断の手掛りになると注目されて研究が進んでいる。

今回の成果について共同研究グループは、心房細動発症に関する詳しいメカニズム解明や発症リスク診断、さらに効果的な創薬につながると期待できる、としている。また今回の研究成果のデータの一部は科学技術振興機構(JST)バイオサイエンスデータベースセンター(NBDC)を通じて公開を予定しているという。

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