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新元素名は「ニホニウム」に正式決定 国際学会

2016.12.01

 日本で初の新元素命名権を獲得した原子番号113番の名前が「nihonium(ニホニウム)」、元素記号が「Nh」とそれぞれ正式に決まった。新元素を合成し、命名権を持つ森田浩介(もりた こうすけ)理化学研究所(理研)仁科加速器研究センター超重元素研究グループディレクターらのグループが3月に提案した名前案を国際学会「国際純正・応用化学連合(IUPAC)」が採用を決め11月30日に理研に連絡した。

 ニホニウムは仁科加速器研究センター(埼玉県和光市)で実験を続けていた森田氏(九州大学大学院理学研究院教授兼務)らのグループが2004年から12年にかけて計3個、合成に成功した。

 原子番号113番の新元素名が正式に決定したことにより、元素の周期表に初めて「日本発の名前」が入り、今後の教科書周期表にも記載される。日本は100年以上前に、新元素発見に成功したとしながら認定されなかった歴史があり、関係者にとっては「100年の悲願達成」となった。

 森田氏は「我々の提案した元素名と元素記号が認められ、正式決定したことを大変うれしく思っています。日本発、アジア初の元素名が人類の知的財産として将来にわたり継承される周期表の一席を占めることになりました。研究グループの代表として大変光栄に思います」とのコメントを発表した。

 森田氏のグループには、東北大学、山形大学、新潟大学、東京大学、東京理科大学、筑波大学、埼玉大学、大阪大学、日本原子力研究開発機構などから多数の研究者が参加した。

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