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「温室効果ガス、50年までに80%削減」明記を 新対策で環境省懇談会が提言

掲載日:2016年2月4日

環境省の「気候変動長期戦略懇談会」は、「温室効果ガスを2050年までに80%削減する」との長期目標を、政府が今春中に策定する新たな地球温暖化対策に明記すべきとする提言をこのほどまとめた。提言は、今世紀後半の「ゼロ炭素化」を目指す「パリ協定」採択を受け、排出量削減を一層加速することを求める内容になっている。

同懇談会は「有識者懇談会」とも呼ばれ、メンバーは、座長を務める大西隆(おおにし たかし)日本学術会議会長ら6人。昨年10月の第1回会合以降長期的、総合的な温暖化対策を検討してきた。 懇談会は第1回会合で、温室効果ガスを大幅に削減するためには、個別の対策を積み上げるだけでなく社会システム全体の変革が必要であることを確認。その後の議論で、エネルギー需要そのものを可能な限り削減した上で化石燃料に代わる再生可能エネルギーを積極的に導入して「低炭素化社会」を目指すことで一致した。

提言は長期目標の明記を求めたほか、世界の「低炭素市場」拡大を予想し、炭素税や排出量取引など「炭素価格付け制度」が有効であることも明示。低炭素社会実現のためには、技術だけでなく、社会システムや個々人のライフスタイルの構造改革も必要、と強調した。

日本は、2012年4月に閣議決定した「第4次環境基本計画」で「2050年までに温室効果ガスを80%削減する」長期目標を国内外に宣言した。しかし、国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)を前に政府が提出した国別削減目標では「30年に13年比26%減」とし、整合性がとれていなかった。

政府は今春できるだけ早く、遅くとも5月の主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)までに新しい対策を策定する方針で環境省、経済産業省を中心に作業を急いでいる。懇談会提言は、基本計画で定めた削減目標を新たな対策に明記することで、パリ協定に沿った日本の積極姿勢を世界にあらためて宣言することを求めた形だ。

日本の削減目標に直接影響する2030年の電源構成は、石炭火力26%、液化天然ガス火力27%、再生可能エネルギー22~24%、原子力20~22%。温室効果ガスを50年までに80%削減する、という長期目標を確実に達成するためには、この電源構成自体の見直しも必要になってくる。

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