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10回目記念サイエンスアゴラが開幕 3日間多彩に200企画

2015.11.13

 「つくろう、科学とともにある社会」を「ビジョン」に国内最大級の科学イベント「サイエンスアゴラ2015」が11月13日、3日間の日程で東京・お台場の日本科学未来館など屋内外6会場で開幕した。主催は科学技術振興機構(JST)。今年は10回目を数える記念開催で、15日までの3日間、大学や研究機関、博物館、教育委員会、学会も参画して約200の企画が進行する。

 女性参画や地球環境の問題など重要な社会テーマを取り上げたシンポジウムのほか、子ども向け理科実験や世界トップクラスの科学者との対話、科学ショーなど多彩な内容。「開かれた科学フォーラム」として国内外の研究者のほか、子どもを含め誰でも気軽に参加でき、科学の魅力や科学と社会の関係を知ることができるよう工夫されている。主催側は土日含めた期間中に1万人を超える来場を見込んでいる。

 初日の13日は、午前中に「女性参画拡大を科学する」と題したシンポジウムが、午後には開幕セッションが行われた。開幕セッションでは主催者を代表して科学技術振興機構の濵口道成理事長があいさつした。

 濵口理事長はあいさつの中で「アゴラとは古代ギリシャ語で広場という意味。科学は専門家の特別な領域のものではない。このサイエンスアゴラは、市民も専門家も同じ広場で一緒に話すことで科学の力と可能性を話し合う場、そして科学が人類の未来のためになるよう話し合う場だと思う」と強調した。そして「東日本大震災は、科学ができること、できないことがあることをもっと話し合って理解し合わないといけないとあらためて認識させた」「科学は人類の幸福のためにあるべきもの。JSTもこのアゴラを通じて日本の科学技術の発展をどう進めていくか考えていきたいが、そのためには専門家だけでなく(市民の)皆さんの率直な意見が必要だ。3日間皆さんにさまざまな科学の形に触れていただいて、私たちの未来を考える、対話する場にしたい」などと語った。

 13日は、会場内の各スペースに盛りだくさんのブースが並んだ。土日となる14、15日は「図形と空間の不思議」「3Dプリンターでモノづくりに挑戦しよう」など科学の面白さを伝える企画や、セッションとしては「ペットボトル掃除機をつくろう」など親子で楽しめる企画が多く予定されている。

 企画担当者によると、これまでのテーマを今年からビジョンとしたのは、サイエンスアゴラを「今後十年間、科学とともにある社会を協力してつくることに主体的に関わりを持つすべての人々の場」とするため。サイエンスアゴラは、「科学とともにある社会をつくろうと行動起こしている人が集まり、お互いの活動に関心を持ち、仲間を募り、活動を発展させていく場」であり、「行動を起こそうとしている人」も巻き込んで、科学と社会の「今」を浮かび上がらせ、科学とともにある現代社会で新しい価値を生むことを目指す場である、という。

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