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ヘルメット型PETを開発 認知症の早期診断活用に期待

掲載日:2015年11月6日

放射線医学総合研究所などの研究グループは5日、「世界初のヘルメット型の陽電子放射断層撮影(PET)装置の開発に成功した」と発表した。認知症の原因となる微量タンパク質をこのヘルメット型PETで画像化することで早期診断への活用が期待できる、という。

研究グループによると、認知症の早期診断には脳内の微量な原因タンパク質を検出する必要があったが、これまでのPET装置の感度や解像度では検出が難しかった。感度を上げるためには検出器を測定対象に近づける必要があるが、従来型では解像度が落ちるという問題があった。そこで、対象に接近しても解像度を維持できる独自技術である「3次元放射線検出器」を工夫して頭部にかぶせるヘルメット型の頭部専用PET装置にすることに成功した。3次元放射線検出器は同研究所が世界に先駆けて開発していた。

これまでの全身用PET装置と比較したところ感度は3倍以上向上し、微量な脳内タンパク質の画像化も可能になった。PETを構成する一つひとつの検出器の数も従来型の5分の1に削減でき、研究グループは「高性能化と低価格化を同時に実現できる可能性がある。設置しやすいヘルメット型PETは、認知症早期診断の普及に役立つだろう」と自信を示している。研究成果は、日本核医学会学術総会で報告された。

PETは、体内の生体分子の動きをそのままの状態で外から見ることができる画像診断法の一種。特定の放射性同位元素で標識したPET薬剤を検査対象者に投与し、そのPET薬剤から放射される陽電子に起因するガンマ線を検出することによって、体深部の生体内物質の分布や量、時間変化を測定できる。内臓深部のがんでも効果が期待され、がん発見の当面の切り札とされる。

画像:放射線医学総合研究所提供・研究グループが開発したヘルメット型PET
画像:放射線医学総合研究所提供・研究グループが開発したヘルメット型PET
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